だけど、食べたらどれもおいしくて。



完食してしまった…。



「ナナちゃんは今日、何か予定ある?」



ナナ…ちゃん…。



心臓がドキッとした。



名前を呼ばれただけで顔が熱い。



「ない…です…」

「俺も久しぶりの休みだからデートでもしようか」

「で、デート⁉︎」

「結婚したのに、指輪も買ってないし。買い物して、美味しいものでも食べに行こう」



こんなイケメンとデートなんて‼︎



しかも凄く優しくない?



まるで王子様…。



あたし、シンデレラガール?



こんなラッキーな展開、有りですか⁉︎



「準備してくるから、部屋で待ってて」



そう言い残し、彼は立ち上がってどこかへ行った。



「バッグも数点クローゼットの中に入ってますので、お好きなものをお使いくださいね」

「た、高島さんっ‼︎」

「はい?」

「彼は…オジサンじゃないですっ‼︎」

「そう、ですけど…?」



あんなに若いなんて想像してなかったんですっ‼︎