狐と嫁と溺愛と

ただ、お父さんと一緒にいたいがために。



「悪いことをしたわ、龍之介には…」

「純粋にお父さんが好きなんですね」

「小さな頃からだもの。そう簡単に嫌いにはなれない」

「そうですか…」



あんなオヤジのどこがいいのか、あたしにはわからないけど。



タマキさんにとったら、きっとお父さんしかいないんだ。



「さぁ、冷めないうちに食べましょう‼︎カニはお好き?」

「大好きです‼︎ほとんど食べたことないけど…」

「たくさん召し上がれ。お酒は飲めるのかしら?」

「未成年なので‼︎」

「そういえば人間には面倒な決まりごとがあるとか…。ここは妖の世界よ?年なんて関係ないわ」



勧められるがままにお酒に口をつけた。



ぬぁっ‼︎



甘くない‼︎



そして喉が焼けるっ‼︎



これ、うまくないっ‼︎



「ケホッ‼︎」

「ふふっ、お口に合わなかったようね。お茶しかないけど、いいかしら?」



お茶でいいです。



むしろ、お茶がいいです。