タマキさんが戻ってきたんだね…。



「ナナ…?」

「うぅぅぅぅ〜…」



お父さんはあたしが寂しくて泣いてるんだと思って、少し呆れてる。



だけど大河さんは、あたしの体調の変化に気がついてくれたようで。



ピタッとオデコに、大河さんの冷たい手。



「凄い熱だ…。蘭月っ‼︎どういうことだ⁉︎」

「申し遅れました、奥方様は当主様がお出になられてすぐ、体調を崩されてしまい…。こちらの医師に診せましたが、一向に回復には至らず…」

「だったらあっちの医者を連れてこい‼︎」

「あちらの人間を連れてくるには当主様の許可が…」

「そんなこと言ってる場合か?手遅れにでもなったら、お前を消してやる」



なんて理不尽な…。



大河さんに抱きかかえられ、また部屋に戻ることになった。



「ジロー、華山系列の総合病院から有能な医者を連れてこい。1時間しか待たない」

「了解。ナナ、待ってろよ?」



ありがとう、お父さん…。