狐と嫁と溺愛と

その後は大河さんがあたしの機嫌取り。



恐ろしいくらいのご馳走と、大河さんの笑顔。



「俺のアイスやるよ」

「いらない…。もうお腹いっぱい…」

「そんなにむくれるなよ…。ほら、コレやるから機嫌なおせ」



コトっと置かれた箱。



これってまさか…。



「この前、仕事で会社に行っただろ?帰りに引き取ってきた」



結婚した次の日に買った指輪。



お互いの名前が入ってる…。



箱を開けたら、銀色に輝くシンプルなリング。



「手、出して?」



そっと左手を差し出すと、薬指にすっと指輪をはめてくれた。



気づけば大河さんの左手の薬指には同じモノ。



それをこっちに向けて、満足そうに笑うから…。



「許してあげる…」



そう言うしかないでしょ?



あんなにどうでもよかった指輪が、こんなにも嬉しく感じてしまったら。



「誕生日だな、ナナ」

「うん…」

「俺の子どもを産んでくれる?」



それはっ、どういう意味?