狐と嫁と溺愛と

次の日、朝早くから大河さんに起こされて、いちばん大きな車に乗って目的地もない旅に出発。



「南か東か、北か西か。どっちに行く?」

「南‼︎」

「了解。酔い止めは?」

「おじいちゃん先生が作ってくれた薬飲んだから大丈夫‼︎」

「よし、出発」



久しぶりのような大河さんの人間バージョン。



やっぱりこっちもカッコイイ…。



長い髪がこんなに似合う男の人はいないんじゃない?



本人は鬱陶しいから切りたいらしいけど。



モデルさんみたい…。



「ねぇ、大河さん。妖で不細工っているの?」

「いるだろ。ヤバいくらいキモいのとか」

「や、ヤダな…」

「俺もイヤだ」



目が合って笑いあう。



この旅行は、楽しいといいな…。



暗い気持ちになんてなりたくない。



純粋に楽しんで、ずっと笑っていたい。



「大河さん、運転疲れない?」

「疲れたらキスしてくれよ」

「い、意地悪っ‼︎」

「慣れろって」



…………意地悪‼︎