狐と嫁と溺愛と

大河さんにコーヒーをいれて、とりあえず持っていく。



本がずらっと本棚に並ぶ書斎の奥で仕事をしてる大河さん。



「コーヒー…持ってきたけど…」

「飲む。で、暇を持て余してるナナは何してたんだ?」

「お昼ご飯の相談」

「誰と?」

「冷蔵庫」

「ははっ、ナナは冷蔵庫としゃべれんのか」



冗談を言って笑う大河さんは、やっぱり怒ってる様子はなくて。



よくわからない。



何がしたかったの?



不思議そうに大河さんを見ていたら、不意に目が合った。



「どうした?」

「あっ、お仕事お休みにしたって言ってたのに、仕事してるから…」

「明日からの分を片付けて、終わったらナナと出かけようと思ってるからな」

「へっ⁉︎」

「どこに行きてぇ?新婚旅行も連れてってねぇし」

「どこって…」

「海外はムリだ。あっちに行くのは少し面倒でな」



海外なんて考えてもないし‼︎



どこに行くって言われても、旅行なんてしたことないし…。