「黙ってればイケメンなのにね」 ……ん? 今褒められた? こんなときに限ってイヤホンのボリュームを最大にしている俺は、タイミングが悪い。 珍しくこの悪魔がデレたのに。 「まあ喋ったら終わりだけどね」 嘘だ、やっぱり悪口だ。 ……ていうか。 「お前、それ盛大なブーメランだって分かってる?」 「私は見た目も中身も可愛いじゃない」 「……」 お前は自分の評価に甘すぎだ。 お前の中身が可愛いなら、俺の中身だってイケメンだ。アホ。