「いやいや、待てよ。 それじゃあ俺、今までの男と変わらねえじゃん」 変わらないっていうか、もっと酷いと思うけどな。 「とにかく別れるから、帰って」 冷たく言い放った凛子に、舌打ちして背を向ける篠崎。 「顔が少しいいからって、調子乗るなよ」 負け犬みたいなセリフを言い捨てて去っていった篠崎に、 「少し……? すごくの間違いでしょ」 なんて、自分の顔への評価をぶつぶつと文句を言う凛子。 ……そこなの、突っ込むところ?