1周まわって、好きかもしれない。




あの時の私はこんなに裏表激しくなかった。


女子にも男子にも、恭介にも他の子にも同じ態度だったと思う。

……恭介は多少雑な扱いだったかも。



でも彼氏もいなかったし、告白されても全部断ってた。

それが気に入らなかったのかな。





「ちょっと顔がいいだけで、あんなのただのぶりっ子じゃん」

「男子は騙されるよねー、そういうの」


「しかも、彼氏つくらないところが純粋ぶっててむかつく」

「あの子と喋ってると男子と話せるから仲良くしてあげてるけどさぁ」




ふーん、へーえ?



イライラがピークに達した私は、その瞬間教室のドアを開けたんだ。


あの子達のびっくりした顔、今思い出しても笑える。


陰口、聞かれて焦るくらいの良心はあったんだね。





「じゃあ私、彼氏つくるね」






にっこり笑顔でそういった私は、3日後、ボスゴリラ……いや、寺田理沙の好きな人と付き合った。



恭介の次にイケメンで、1年生なのにスタメン入りしてるバスケ部のエース。


寺田理沙が、いつもカッコいい!って騒いでる人。