ふわり、と触れた唇。



恭介の、無駄に整ってる顔がアップになって。

恭介の香水の匂いが、花の匂いと混ざって。


優しい唇が、そっと離れた。






「…っ、」



思ったよりも照れくさいそれに。


思ったよりも幸せなそれに。



しばらく動けないでいたら、恭介が先に立ち上がった。




「ま、待って…」



私も慌てて立ち上がって、追いかける。