「…三浦と付き合うの?」




聞きたいけど聞きたくない。

迷った挙句、やっぱり気になって口を開いた。






「…そうだ、私」


「うん」






「好きな人、できたから」





「…え?」




思いがけない凛子の言葉に思わず足を止めると、2、3歩あるいてから凛子も立ち止まり、振り返る。



たった2、3歩。距離にすれば1メートル弱。



たったそれだけなのに、やけに凛子が遠くに感じた。