「おはよ」




次の日の朝。

バタバタと家から出たきた凛子に挨拶すれば、驚いたように目を見張る。

いつも凛子は遅刻寸前に登校してくるから、朝から会うことは滅多にない。


俺が遅刻しそうな時か、凛子が珍しく早起きした時だけだ。





「遅刻ギリギリなんて珍しいじゃない」



「待ってたんだよ、お前遅すぎ」




「え、なんで…」



「…元気かなと思って」




そう呟けば、少し頬を赤らめた凛子。



「余計なお世話だし」



ツンとしているけど、いつもより濃いメイクが泣き腫らした顔を隠すためだって、わかってる。