「本気で凛子ちゃんのこと、奪うから」




「奪う、って…」




「瀬見くんから。

…じゃあ俺、そろそろ行くわ」




それだけ言って、バッグを持って立ち上がった景ちゃん。






「…あ、そうだ。

月末のバスケの試合、よかったら見に来て」





そっか。


バスケの試合、見に行きたかったんだ。


見れば、景ちゃんはジャージ姿で。


部活に行く前に私と会ってくれたんだと思う。