「…いや、お前なにしてんの…」
いつも通り、ツンとした顔で前の椅子に座る凛子に、俺も向かいに座る。
どう考えたって、このペアじゃないだろう。
誰と乗るかなんて話していなかったけれど、当たり前に凛子は三浦と乗る流れだっただろ。
三浦だって観覧車に乗りたかったわけじゃなくて、凛子とふたりになりたかっただけ。そのくらい俺にだってわかる。
…きっと、河谷さんも。
「だって恭介が嫌だって言わないから」
少し怒った顔をした凛子は、鞄の中から白地にピンクの花柄のタオルを取り出して、俺の顔に乱暴に被せた。
ふわりと、凛子の部屋のフローラルな香りが鼻をくすぐる。



