「いいって、河谷さんと帰りなよ」 「だってお前フラフラしてんだもん」 見てられない、って笑う恭介に、今度こそドキドキ…して、ない。 空っぽになった私の手。 重いノート全部、軽々持ってる恭介の隣。 窓から差し込むオレンジの夕陽が、なんかやたら眩しい。 「凛子が雑用なんて珍しいじゃん」 「放課後だから手伝ってくれる人がいなかったの」 「俺がいてよかったな」 「そうだね。便利だね、恭介」 「…手伝うのやめるぞ」 「ごめんって」