「恭介がなに?」


「本当に付き合ってないの…?」


「ないない!」



恭介で妥協するほど、私男に困ってないし!
心外!


「そっか…よかったぁ」



ふわり、と花が咲いたように笑った河谷さん。

なんだか少し胸がモヤっとした気がした。気のせいだけど。



河谷さんが教室を出て行ってから、声をひそめる穂果。





「なに、もしかして恭介くんのこと…?」


「まだ現実を知らないんだよ…
ゲームオタクな面を見せてないんでしょ…」


「…いいの?凛子」


「なにが?」


「取られちゃうんじゃない?恭介くん」