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 3日かけて、ハルアトス城に到着する。

「っと、大丈夫?」
「うん。ありがとう。」

 そっと地面におろされる。シュリ、シャリアスも地面に降り立った。

「疲れたー!3日は働きたくねぇ。」
「お父様にお願いしましょうか?」
「い、いい!1日寝れば体力戻る!」
「まずは陛下にお会いせねばな。」

 キースの手がジアの手に触れる。

「キース…?」
「城の中に入るまで、だけ。ちょっと勇気ちょうだい?」
「…?」

 何をするための勇気なのかわからないが、それでキースが前を向けるのならば、喜んで手を繋ぎたい。

「ありがとね、キース。」
「え?」
「なんだか無性に言いたくなったの。」
「んー突然どうしたの?」
「…言いたいなって思ったから言っただけだよ。」

「ジア様!ミア様!」

 門の前の衛兵が目を見開いた。

「ただいま。お父様とお母様に知らせてもらってもいいかしら?あたしたちはゆっくり歩いて行くから。」
「は!」

 衛兵の一人が大急ぎで駆けていく。もう一人は静かに会釈をする。

「いつもありがとう。これからもよろしくね。」

 ジアに声を掛けられて、衛兵が小さく頬を染める。

「さーてキース、心の準備はいいかな?」

 そっとジアの手を離した瞬間に、後ろからシャリアスが声を掛ける。

「はい。もう、覚悟はしてたんです。最初から。」

 迷いは、ない。今は、あの手を取って歩きたいから。