澪のそんな声聞いたことなくて、驚いて顔を上げれば、目線の先には、隣の高校の制服を身に纏った、美少女が泣きそうな顔で立っていた。










誰‥‥‥‥‥‥‥?





澪は澪で、その美少女を切なそうな表情で見つめている。





私が見たことない顔で、声で、彼女を見つめている澪。








気がつけば私の髪に触れていた指は今ではもう離れていて。






「澪っ!」




「っ、白雪」





持っていた鞄を手放して勢いよく澪の胸に飛び込んできた美少女を、澪の手は受け止めていた。







「澪っ、澪っ‥‥‥‥‥ずっと会いたかったのっ」





「ゆき‥‥‥‥‥、」






「ずっと、澪のことが忘れられなかった‥‥‥‥‥‥」









私なんか視界に映ってないかのように、澪に泣きながら抱きつく美少女を、澪も切なそうに顔をゆがめて抱きしめていた。