妖の王子さま




「わっ、ちょ・・・っ」




胸に押し付けられた顔。
蒼子は手を白玖の胸に押し付け、押し返そうとするが白玖の腕の力は強まるばかり。

白玖は、鼻の側にある蒼子の頭を、すんすんと嗅ぐ。




「なっ、ちょっ」

「蒼子、いい匂い」




白玖の他意のないまっさらな言葉に、蒼子は赤面する。
どう反応したらいいかわからずに、顔を隠すように白玖の胸に押し付けた。




振り回されているのかもしれない。
白玖が時々見せる、こういった行動に。





「蒼子、寝てるときうわごと言ってた」

「え・・・?」

「お父さん、お母さんって」





蒼子の方がビクッと震える。
白玖はそれに、蒼子の身体を離し顔を覗いた。