妖の王子さま




「あ・・・蒼子」

「お、おはよう・・・」



気恥ずかしく小声でそういうと、白玖はパチパチと瞬きをした。




「おれ、また寝てた?」

「え?私が起きた時には、寝てたよ?」




蒼子が答えると、白玖は目を何度も瞬かせた。
不思議そうに瞳が動いた後、大きな手が蒼子の頭を撫でる。





「変なの。蒼子と一緒だったら、眠れるみたい」

「そう言えば、そんな事言ってた・・・。寝れないの?」

「・・・興味がないんだ。寝ることも、食べる事も、なんにも」





白玖の言葉に、蒼子は黙り込む。
それは、最初白玖に会った時に蒼子が感じたことだった。
何にも興味がなさそうな、どうでもよさそうな。


感情のない・・・妖怪。




「でも、蒼子の側だと・・・違うみたい」





まだ虚ろげな瞳で、伸ばした手で蒼子の身体を強く抱きしめた。