「・・・・・っ」




目を覚ましたのは、布団の上だった。
見れば着物を着せられ布団に寝かされている。





「あれ・・・」




記憶が飛んでいる。
いったい、何があったんだったか。



蒼子が頭をかしげていると襖が開く音がして人の気配が入ってきた。




「まったく、白玖さまのお手を煩わせるなんて。人間の分際でおこがましい」



あからさまな嫌悪感を眉間のしわに表わした多々良が膳を持ち入ってきたのだ。





「え、あ、私・・・」

「あなたは、お風呂場で倒れたのですよ」

「あっ!」




多々良に言われ、思い出した蒼子は顔を一気に赤く染めた。
そしてすぐにあの白玖の言葉を思い出し青ざめたのだった。