「多々良!志多良に・・・、牛鬼も!みんな・・・」




そこにいたのは、多々良をはじめ、白玖の側にいたみんなだ。
かまいたちの二匹も牛鬼に抱えられていた。




「あ、おまえたち・・・」



様子を見に来た白玖も、それぞれの姿を目にすると驚いたように目を見張った。
多々良は小さく頭を下げる。




「白玖さまと、蒼子さんに仕えさせていただきたく、やってまいりました」

「え・・・?」

「言ったでしょう。私は、最後の時まで白玖さまだけをお慕いし、従っていくと決めているのです」

「おいらも!」

「俺を拾ったのは、蒼子さまだぜ。途中で捨てんじゃねぇよ!そんでこいつらは、俺が飼い主だからな、一緒にだ」

「キー!」





屋敷にいれば、もっといい生活ができただろう。
あの屋敷ではなく、いずなのもとに行き妖の長を支える従者になることだって。
そう思い、二人だけで出てきたというのに。


白玖と蒼子は顔を見合わせた。