妖の王子さま




そして、白玖たちは、朱鬼との戦いのため、戦地に立っていた。


蒼子は、牛鬼とともに少し離れた場所で隠れて様子を見ていた。
心配そうに白玖に視線を向けるのを、牛鬼が見つめる。


「貴様らも来たか」



先にやってきたのは、いずなだった。
神妙な表情で白玖の前に立ちはだかった。




「朱鬼が暴れてるって」

「・・・最近のあいつは、見過ごせないところまで堕ちている」


いずなは眉を顰めた。
それほどまでに酷いのかと、白玖はその言葉を静かに聞く。



「闇討ち、騙し討ちは常だ。部下たちを力で支配し、見るに耐えん」

「そうなんだ・・・」

「お前は、もう少し政にも興味をもてよ」



いずなは呆れたように言うと小さく息を吐いた。
以前より、双方に流れる空気が柔らかくなっていた。

少しだけだが、互いに認め合っている。




「どうしたらいい?」

「・・・。何百年も、決着をつけず続けてきた争いではあるが、決着をつけねばならん時がやってきたようだ」

「うん」

「少し、俺とお前の戦は休戦し、手を組もう」



まっすぐ、目を見据えそう言い切った。