妖の王子さま




「・・・っ」



白玖は、何も言い返せず唇を噛みしめた。



「お前が、その様なら、蒼子は俺の城に連れ帰る」

「っ!」



白玖が目を見開きいずなを見た。
いずなは、強い意志を持った瞳で白玖を見つめる。



「い、嫌だ!蒼子は、おれの・・・っ」

「お前が側にいれば、蒼子はこんな目に遭わずに済んだ。わかってるのか」

「・・・蒼子は、渡さない」



何も言い返せはしない。
それでも、蒼子を渡したくなかった。

その腕に、抱かせていたくはなかった。



「・・・これから先、これ以上蒼子が傷つくようなことがあれば、有無を言わさず俺が蒼子を連れ帰る」

「そんな事、させない」



いずなの腕から蒼子を奪い返した白玖は、その腕で強く蒼子を抱きいずなを睨み返した。