妖の王子さま




「白玖、なに考えてる?」

「・・・なにも」

「そうか?」




牛鬼には、何か考え込んでいるように見えてそう尋ねたのだが、白玖にそう言われてしまい首をかしげた。
仕方なく牛鬼は再び校庭を見下ろし、球を追いかけている人間たちを見た。
人間たちは、野球部で、野球のボールを追いかけていたのだが、牛鬼にはそれがわからない。
なんともおかしな遊びのように見えたのだった。




「蒼子さまに、なにも言わなくてよかったのか?」

「・・・うん。別に、大したことないし」

「でも、蒼子さまの世の事だぜ?」

「やっぱ、気になるものなの?」





白玖は起き上がり牛鬼に尋ねた。
いちいち知らせる事でもないかと白玖は想っていたが、そうではなかったのかと疑問に思った。



「そりゃあ。ここには、蒼子さまの友人もいるし。それらに危険が及んでいるとなれば、気にはなるんじゃないか?」

「そうか・・・」

「まぁでも、俺たちが退治するわけだし。もうそんな心配もいらないけどな」




牛鬼はそう言うと白玖を振り返った。
白玖は、牛鬼と目が合うと小さく頷く。