「蒼子、学校楽しかった?」

「え?うん。楽しかったよ」

「そっか。じゃあ、明日妖の世界に帰ろうね」




明日・・・。
本当に急だな、と蒼子は思った。

特に異論があるわけではない。
学校に思い入れがあるわけではなかったから。


ゆかりには、蒼子以外にも仲のいい友だちはたくさんいる。
だから、自分一人いなくても大して問題はないのだ。



寂しげに蒼子は息を吐いた。




「白玖は、楽しかった?」

「ん?そうだねー。人間って、変なのって思った」

「変なの?」

「おれのことじろじろ見て、何が面白いんだろうね」



白玖は、そのジロジロ見ていたという女の子たちの気持ちはわかっていなかった。
もちろん、仲良くなりたいとか、好きだとかそう言う感情だったのだが、白玖にとってはただ、見られているとしか思わなかった。


白玖らしい。
蒼子はそう感じてホッとした。