「蒼子さまぁ―!」
突然、教室にとおる声が響いた。
蒼子はビクッと肩を揺らし、声のする方を見る。
そこには、大きく手を振る人間のような姿の牛鬼だった。
「ぎゅ、き・・・!?な、なんで!?」
言葉を詰まらせながら最高潮に戸惑いを隠せない。
そんな蒼子のところに牛鬼は駆け寄る。
「酷いんだぜ、白玖ったら!自分だけ蒼子さまと同じクラスにしてさ!俺なんか、隣!」
「え、ちょ、ちょっと・・・、本当に、牛鬼なの?」
「そうだよ。今の名前は、狐塚牛鬼」
「狐塚・・・」
「双子っていう設定なんだって」
牛鬼はおかしそうに笑った。
牛鬼という名前は珍しすぎると思ったが、蒼子は言わずにいた。
「あ、あの、牛鬼ちょっと人のいないところに移動して・・・」
「うん。じゃあ、二人になれるところにいこ!」
牛鬼は声を張り上げた。
もちろん、白玖の耳にも入るように。


