妖の王子さま




大人しく蒼子の隣の席に座った白玖。
白玖のあんな笑顔なんて、普段あまり見ることのなかった蒼子は胸を高鳴らせた。


最近こそ感情を見せるようになっていた白玖立ったが、笑顔は時々見せる程度だったのだ。



自分と会った事がそれ程嬉しいと思ってくれたのか、と少しうれしくなるのだった。


人間の姿の白玖は見慣れず、制服を着ている白玖が珍しく思えた。
いつも着物姿の白玖の洋服姿を初めて見たのだ。


見慣れないからか違和感はあるが、なにを着てもその美しさは損なわれないのか、と感心する。



蒼子は隣の席の白玖をチラチラと盗み見をしながらHRを過ごした。




「狐塚くんはどこから来たの?」

「また転校するってどうして?」

「蓮井さんとはどういう関係なの?」




休み時間は、案の定白玖の周りには女の子が溢れていた。
もともと、関心のない白玖は、その質問にもあまり答えはせず、蒼子の見慣れた無の感情で座っていた。


ああいう所は、変わらないのだ、と蒼子は苦笑する。

蒼子も、聞きたいことは山ほどあったが、こんなところで聞ける話でもない。
仕方なく、誰もいなくなったところで聞き出そうと考えていた。