妖の王子さま




クラスの女の子たちは、そんな人並み外れた(そもそも人ではないが)美形の白玖に黄色い声を上げる。
男の子たちもまた、息をのむ姿があちこちで見られた。

その姿に、誰から見ても綺麗な顔をしているんだ、と変な納得をした蒼子はいまいち理解できない状況に頭を混乱させていた。




「狐塚は・・・蓮井の隣が開いてるな。そこに座れ。蓮井、手をあげてやれ」

「え・・・あ、はい」



蒼子が躊躇いながら手をあげると、白玖は嬉しそうに笑った。




「蒼子!」




そう声を上げると、嬉しそうに駆け出し蒼子に抱きついたのだ。
スンスンと鼻を鳴らし、蒼子の匂いを嗅ぐ。



「え、ちょ、ちょっと・・・」

「蒼子の匂い・・・」




蒼子の匂いに感動している白玖と、混乱真っ最中の蒼子。
やはり、これは自分の知っている白玖なのだと、悲しくもそこで理解したのだった。




「なんだ、知り合いだったのか?まあいい。座れ―。HR始めるぞ」



先生だけが全く気にもせずシレッとHRを始めようとするが、クラスメイト達はそれぞれ黄色い悲鳴のような声をあげていた。