「ゆかり」
「ずっと休んでどうしたの?最近、体調悪い?」
「心配かけてごめんね、ちょっといろいろあって」
「そっか・・・。あんま無理しないでね」
「ありがとう」
心配をかけてしまっていたことに胸を痛めながら蒼子とゆかりは並んで校舎に入った。
懐かしい校舎内に、きょろきょろと見渡してしまう。
もう戻ることはないかもと思っていた。
また戻ることになるとは・・・。
教室に入って、自分の席に着く。
あまり人と関わらずに生きてきた蒼子には、ゆかり以外に気にかけてくれる友達はいなかった。
厳しくも自分を受け入れてくれた多々良。
可愛く無邪気に甘えてくれた多々良。
自分を慕いついてきてくれた牛鬼。
そして、自分に甘え心を持ち始めた白玖。
いつの間にか、こんなにも大切な妖に出会えていたのだと、改めて感じた。
それと同時に、もう会えないかもしれないと絶望的な気持ちにもなった。
それほどまでに、彼らとのつながりは儚く脆いものだったのだ。
自分から望んでも、出会えない存在。
それがとても遠く感じた。


