白玖たちは、心配しているだろうか。
それとも、自分がいなくなったところで平気だろうか。
考えるのは、妖の世界の事ばかり。
自分の世界はこちら側だというのに。
なんだか居心地が悪かった。
「はぁ・・・」
次の日、蒼子は予備の制服を着て学校に向かった。
もし白玖が迎えに来ることがなければ、この世界で再び生きていく。
ならば、学校にも行っておいた方がいい。
不安は尽きないが、そんな現実的なことを考える余裕はあった。
通いなれた学校が、懐かしく思える。
同じ姿をした人たちが、懐かしく思える。
それは、自分が異世界に慣れ切っていたことを示していた。
妖たち。
そんな人ならざる者たちに慣れ親しんでいた。
「蒼子!!!」
校門の前でしみじみと学校を見上げていた蒼子を呼ぶ声。
ゆかりの声だ。


