妖の王子さま




白玖はただそれだけを思い、金棒を受け止める。
足は地面にのめり込む。

ズリズリと土を削り、骨がきしむほどの重量に耐える。




「っ!」




歯を噛みしめ、金棒を押し返した。
朱鬼は、そんな白玖を怪訝そうに見つめ、ふと顔を横に向けた。



先ほどの蒼子の声は、朱鬼にも聞こえていたのだ。




「あれは、この前の人間か?」




ポツリと呟いた朱鬼に、白玖はハッと顔をあげ朱鬼が見ている方を向いた。
ここから蒼子の姿がはっきりと見えたのだ。

朱鬼に気づかれた。
白玖は、事の重大さに気づいたのだ。




「っ!」

「そうか。お前が変わったのは、あれのせいか?」

「関係ない!お前の相手は、おれだ」




白玖は朱鬼の視線を遮るように間に立つ。
朱鬼の金棒をもろに受け止めたせいで白玖の身体はボロボロだった。