妖の王子さま




我儘を言って連れてきてもらっているのだ、足手まといになるわけにはいかない。




「牛鬼は、平気なの?朱鬼の敵としてここにいるのは・・・」

「なに言ってんの?俺は、もう蒼子さまについていくって決めたんだ。その時から俺は、朱鬼さまの事はもう主とは思っていない」



覚悟の決めた顔で。
蒼子はそれ以上尋ねることをやめた。





「ずいぶん腑抜けた顔になったではないか、狐よ」




白玖たちの方から声が聞こえた。
朱鬼の声だ。
片方の金棒を肩に担いで、真っ赤な髪を靡かせている。




「死に急いでいるように見える!ならばさっさと死ね!」




地面を強く足でけり上げ一気に距離を詰める。
戦いが、始まった。


白玖はその攻撃をひらりとよけた。
九尾の尻尾がふわりと揺れる。


久しぶりに見る戦いの装い。


蒼子は心の中で必死に祈った。
どうか、無事で。