妖の王子さま




蒼子たちは、白玖から大分離れた場所で、様子を見ていた。
白玖は、朱鬼と対峙している。


重苦しい空気が流れ、鬼と狐たちの間にも鋭い殺気が飛び交っていた。




「牛鬼、蒼子さんの事を頼みましたよ」

「わかってる!絶対守る!」

「え、多々良は・・・?」

「私も、今回は戦闘に加わりますので」




多々良はそう言って向かって行く。
その背中を心配そうに見送る。




「朱鬼さまは、下っ端たちにも戦わせるから」

「え・・・」

「天狗の大将、いずなは自分の力を誇示するために余計な手出しは無用って考えらしいけど。朱鬼さまは、全戦力を持って徹底的に叩き潰すことをモットーにしてる」

「そうなんだ・・・」




そういえば、牛鬼はもともと朱鬼のもとにいたんだった、とこの時思い出した蒼子なのだった。
だから、今日はいつにも増して狐部隊の数も多いのだと、納得した。




「だから、蒼子さま。気を付けてね。いつ標的にされるかわからないんだ」

「うん。わかった」