妖の王子さま




「ここは、黄の国。白玖さまが治める世界です」

「白玖・・・」




あの狐の事を、彼はそう呼んではいなかったか。
そして、主とも。

あの狐が、この世界を治めている?
蒼子にはうまくピンとこなかった。




「あの狐のお姿は、仮の姿。人間界に逃げ込むのに化けた姿でございます」

「ああ・・・」




多々良は人の心が読めるのか、思った疑問をいとも簡単に紐解かれ面食らう。




「そう言えば、戦いがどうとか・・・」

「はい。この妖の世界には、三つの勢力がありまして。一つは黄の国の九尾狐である白玖さま。そして、青の国を治める大天狗であるいずなさま。そして、赤の国を治めるのは、鬼である朱鬼さま」

「天狗・・・鬼・・・」




頭が痛くなる。
いきなり妖の世界と言われ、次々に架空の生き物だと思っていたものの名を連ねられ。
わからない世界の話を繰り広げられているのだ。