そこには、全身血だらけになった牛鬼が扉にもたれながら立っていたのだ。
「牛鬼・・・!?」
蒼子が青ざめ立ち上がる。
蒼子の姿を確認した牛鬼はホッとしたようにズルズルとその場に座り込んだ。
慌てて蒼子が駆け寄ると、周りにいたクラスメイト達は興味津々に覗き込む。
これ以上人目にさらすわけにはいかないと蒼子は慌てて牛鬼の身体を抱え上げた。
角を隠した人間の姿に化けていた牛鬼。
その上子どもの姿に化けていたため蒼子でも抱え上げることができた。
それでも牛鬼だと気づけたのは、顔は幼くとも牛鬼そのものだったからだ。
そして、蒼子の呼び方に特徴があった。
蒼子は慌てて牛鬼を連れ開いている教室を探した。
保健室には先生がいて連れて行けない。
空き教室に牛鬼を運んだ蒼子はそっと牛鬼を壁にもたれさせた。
「牛鬼・・・」
ぐったりと目を閉じた牛鬼にただならぬ事態を思い起こさせた。
白玖たちの身に何かあったのではないか。
不安が胸によぎり、唇を噛みしめた。
「とりあえずケガ・・・」
少しでも自分の身体に引き受ければ牛鬼は目を覚ますかもしれない。
そう思った蒼子は牛鬼の身体に触れ、そっと目を閉じた。
気を失うほどのケガを負うような事態が起きているのなら、すぐにでも知りたい。
その一心だった。


