「蒼子さま、夕餉を持ってまいりました」




牛鬼が膳を持ってやってくる。
志多良は白玖のモノを運んできた。



「ありがとう、牛鬼。志多良も」

「はい」

「はい!」



相変わらず白玖は、膳に手を付けようとはしない。
蒼子は、そんな白玖を横目に見ながらお汁のお椀を手に取った。





「白玖、食べないの?おいし・・・」




汁を一口飲み、白玖にそう声をかける。
その蒼子が、持っていたお椀を手から落とした。



「蒼子さま?」

「・・・・あ・・・・かはっ・・・ぁ・・・」




突如苦しみだした蒼子。
白玖は慌てて蒼子に駆け寄り肩を支える。

蒼子の顔はどんどん青ざめ苦しそうに喉を抑えた。