しばらくすると、寝息を吐きながら白玖が眠りに落ちる。
ずっと寝ていなかったのだろうか、と蒼子は白玖の頭を撫でながら思った。



白玖の髪を撫でているとこそばゆいのか耳がピクピクと震える。
蒼子はそれを見て、いたずら心が揺さぶられた。





「・・・触ってみたい」




獣の耳。
そんなものを見るのは初めてで、蒼子はごくりと息をのみそっと手を伸ばした。




「や、柔らかい・・・」




さわり心地は抜群で、癒し効果でもあるのではないかと感じるほどに心をほころばせていく。




「蒼子さま」

「えっ、あ!・・・こ、これはね・・・」




牛鬼がいることをすっかり忘れていた蒼子は、声をかけられた途端手を放し戸惑いながら誤魔化そうとする。




「俺の角も、触っていいよ」

「え?」




牛鬼はそう言って自分の頭をつき出した。