「な、なんだ、これは!?」

「っ!」

「やめろ!」




いずなが険しい顔で、蒼子の身体を突き飛ばした。
痛みが薄れていく身体。
なにかが起こっていることは、いずなにもわかったのだ。




「あ・・・っ」





自分が怪我した個所と同じ場所を赤く染める蒼子の姿。
その一瞬で、状況を理解したいずなは眉間にしわを寄せる。




「なるほど、そういう事か。下衆やろうめ」




いずなはそういうと、自分の手当のために用意されていた包帯を鷲掴みにし蒼子に歩み寄った。
乱暴な手つきで包帯を巻きつけ手当を施す。





「あ・・・っ、く・・・」

「我慢しろ、バカ女」




優しさのかけらのないような乱暴な巻き方で、痛みに耐えながら蒼子は手当をされていた。