「なぜ泣く」 「・・・っ、ごめ・・・っ」 怖いと。 白玖の事を、怖いと思ってしまった。 乱暴な手つき、口づけに。 心が、震えた。 「・・・っ。面白くない」 白玖は立ち上がると部屋を出て行った。 蒼子はただしくしくと泣くだけ。 吹き飛ばされた牛鬼が、戻ってきて泣いている蒼子を見て立ちすくんでいた。 志多良もまた、どうしたらよいかわからずただオロオロと見守るしかできなかったのだ。