それがいけなかった。




「蒼子ちゃんって、変なんだよ」
「気持ち悪い!」
「化け物みたい!」




子どもは、純粋であり残酷なほど素直に物を言う。
蒼子の心を傷付けるのに時間はかからなかった。




蒼子は悟った。
この力はやはり異様なのだと。

誰にも知らせるわけにはいかない。



目立たないように。
気づかれないように。



息をひそめ、生きていくことを誓った。




蒼子の引っ込み思案な性格はそうして作られたのだ。





「はぁ・・・」




あの多々良という男に、自分の不気味な力を見せてしまった。
そのことをつい後悔してしまう。