輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「あ、あいつ!」

その声の正体は、さっき町の入口で俺に声をかけてきた女だった。

「本当に懲りないなぁ、いつまで俺を追いかければ気が済むんだ凛音(りんね)」

「そんなの決まってる!」

凛音と呼ばれた女は、立っていた屋根から俺たちのもとへと飛び降りて来た。

「我と契約せし十二天将よ、我が呼びかけに応えたなら姿を現し、我の助けとなれ白虎(びゃっこ)よ。急急如律令!」

「十二天将!」

「こんなところで勝負する気かよ……、まったく」

空さんも、符を構えて呪文を唱える。

「我と契約せし十二天将よ、我が呼びかけに応えたなら姿を現し、我の助けとなれ天后(てんこう)よ。急急如律令!」

互いの隣に、二人の十二天将が並ぶ。

白虎は短剣を構えて天后に襲いかかる。

天后は、それを避けると力を込めた拳を白虎にくらわす。

「きゃぁ!」

「白虎!」

勢いよく遠くに飛ばされるが、すぐに体勢を整える白虎。

「このまま戦い続けたら、町に被害が出るね」

空さんは、懐から二枚の符を取り出すと、そのうちの一枚を地面へと付ける。

「結界!」

空さんの言葉と共に、俺たちの周りに見えない結界がはられる。

「そして、追加に」

空さんは、もう一枚の符を口元に近づける。

「式返し」

空さんは、符に息を吹きかけると、それを白虎に向かって放つ。