輪廻転生 絆が繋ぐ運命の転生 上

「これはこれは空(そら)様」

「やぁ亭主、今日も繁盛しているね。これは貰ってもいいのか?」

「はい!誰かに渡すのですか?」

「ちょっとね。女じゃない奴に、これくらいつければ女になると思ってね」

「それはもしかして、あの方ですね」

「そう、あいつ」

「君は本当にいいの?かんざしは」

「はい、ちょっとまだ渡せないんで」

「そうか。その姿からすると君も陰陽師だね?」

「一応そうですけど」

男の人は、よく見ると凄い美男子で、髪を軽く後ろに束ねていた。

「どこの本家?」

「すいません、見ず知らずの方にそれを教えるわけにはいきません」

ここで俺の正体を明かしたら、何を思われるか分からない。

もしかしたら、歴史が変わってしまうかもしれないからな。

「そうか。そういえばまだ名乗ってなかったね。君も聞いたことはあると思うけど」

「そうですか?」

「あぁ、俺の本家は安部家だ」

「安部家?!」

「俺の名前は安倍空(あべそら)、安倍晴明の孫だよ」

すごい、まさかこんな所で安倍晴明の孫の空に会えるなんて。

それに、この人は俺にとって血縁者なんだ。

「俺も名乗ったから、君にも名乗ってもらおうか」

「そ、それは」

ここで普通に名前を名乗っていいのだろうか。

「凛空っていいます」

でも、名乗らないとなると怪しまれる。

「凛空か、聞いたことがない名前だな」

そりゃぁ、この時代じゃあまり聞かない名前だしな。

まぁ、それを言うなら空って名前もあまり聞かないが。