「メロディ、本当に君は進学しないのか?これだけ魔法の実力があるのにもったいない」
先生はなんとか私を説得しようとしていた。

この国では義務教育で16歳までは、学校に通う事になっている。
その後は魔力や剣術が優秀な者は、更に能力を伸ばす為に進学する者もいれば、家業を継ぐ為に就職する者、平凡な能力の為に就職しか出来ない者などさまざまだ。進学半分就職半分ってところかな。

私は小説の中でも優秀な魔法使いだった。もちろんこの学校でもトップの成績。だから先生も学園に入れたいのだろう。
でも入ってしまったら私は嫉妬で狂って死んでしまう。
幸い私の家は喫茶店をやっているから、就職先には困らない。
平凡な人生になるだろうけど、狂って死ぬよりは何万倍もマシだ。