入るところは狭かったけど、林の中はお部屋みたいになってて、思ってたよりもずっとひろかった。


それでも、パパとおじさんには窮屈そうだけど…。


「俺らもカブトムシを捕りに来て、先にあの場所で上級生の自転車を見ると、うなだれながら帰ったもんだよな。」


「そういえばそんな事もあったなぁ。真吾と一緒に此処に来なきゃ、忘れてしまってたよ。」


パパとおじさんは懐かしそうな顔で、一本の木を見つめていた。


周りの木よりずっと太くて、どっしりと地面に根を張っている。