意を決して階段を一階分下りて、校舎の西側の奥へと進んだ。
物理室、化学室、生物・地学室など、理科系の専門教室が並ぶ廊下を通り過ぎ、更にその奥へ。
突き当たりにふたつ並んだ教室の、手前が2年生、奥が3年生の特進クラスとなっていた。
専門教室の更に奥という場所なので、ここに普通クラスの生徒が来ることは滅多にないだろう。
私もこのエリアに初めて足を踏み入れたから、余計に緊張してしまった。
ドキドキしながら、特進クラス前の廊下を歩いている。
昼休みなのに人通りが極端に少なく、静かだった。
【2ー特】とドアの上に札を下げた結城くんのクラスをそっと覗いて……驚いた。
机の数は15個ほど。
まだお弁当中の生徒が数人いる他は、みんな教科書や参考書を広げて勉強している。
5月中旬の中間テストは再来週からで、うちのクラスで昼休みまで勉強している生徒は、まだひとりもいない。
私は家で少しずつテスト勉強を始めたところで、美緒ちゃんと由希奈ちゃんは、
『は?テスト勉強? そんなの前日でいいじゃん』と、言っていた。


