『一馬、刀貸して』


「わかりました」





一馬は普通の刀だからすぐに怪我がなおる。

それで手首をきり、平助の口に1滴垂らした。





「うっ…。…白夜…」


『大丈夫。怪我はもう治ったよ。
敵から目を離すと負けだよ』


「…すまん」





平助を立たせて回りをみる。


あれ?総司がいない。





『平助。総司は?』


「あいつは2階にいる」





2階か…。





『一馬。行くよ』


「はい」





一馬に刀を返して、自分の刀を鞘からぬき
構えながら2階にあがる。





『一馬。まだ半狐になれるよね?』


「当たり前ですよ」





半狐とは、人間の姿でも狐になれる。


人間の形だけど、耳がはえて尻尾が出る。
狐の姿に戻る寸前的なもの。