「はぁ、はぁ、はぁ……」 あたしは呼吸を整えるのに必死。 だって、学校の体育だってこんなに走らないよ!? 急激なダッシュで、体が悲鳴をあげていた。 「包囲はされてねえみたいだな」 逆に彼は呼吸一つ乱れてない。 辺りを見回しながら、冷静に外の様子を分析していた。 ……あたしの手を繋いだまま。 ――ドキッ。 ギュッと繋がれたあたしの手はすっぽり包まれてる。 男の人の手って、こんなに大きいんだ……。