「逃げんじゃねえ!ごらぁ!」 「その場から一歩も動くんじゃねえ!!」 ビクッ! フロア内では、もはや、刑事なのかヤクザなのかもわからないような怒号が飛び交う。 その中を、"わー"とか"キャー"とか言いながら逃げ惑う人たち。 あたしどうしたらいい!? 当然だけど、あの中に飛び込んでいく勇気なんてない。 でも、あたしはなにかした覚えはないし……。 「確保した奴から、順に車に乗せてけよー」 その時、スーツを着たボス的存在の刑事が、そんな命令を下すのが聞こえた。