不思議な運命を感じた。


あたし達が出会うことは決まってたけど、最初の出会いはホントに偶然だったから。



「再会の必然は、紅としての必然じゃなくて、久郷渉、ひとりの男としての必然……」


渉がまっすぐにあたしを見る。





「だから結局俺は……」




渉が大きく息を吸う。


あたしもつられて息を吸った。





「俺は乃愛を拉致するために、黒凪に入った」



「…………」





………え。




……まさかのリピート?


また話、戻っちゃう……?




ポカンと、渉を見ていたら。



「おい!ここだろ!」


「へ……?」



なにが?



「この流れで話通じないとか、ないだろ」


「えっ……」




もしかして、今のは……俺様ぶってる方の、"拉致"……?





「あーもー。回りくどいことごちゃごちゃ言うんじゃなかったーーー!!!」



渉は「うわーーー」って、髪をかきむしる。